問題文
意思表示に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア 表意者が真意でないことを知ってした意思表示は無効であるが、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知らなければ、知らないことにつき過失があっても、当該意思表示は有効となる。
イ 相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効であり、第三者がその虚偽表示につき善意であっても、過失があれば、当該第三者にその無効を対抗することができる。
ウ 意思表示は、当該意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、無効であるが、その錯誤につき善意でかつ過失がない第三者には、その無効を対抗することができない。
エ 詐欺による意思表示は取り消すことができるが、その詐欺につき善意でかつ過失がない取消し前の第三者には、その取消しを対抗することができない。
1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.四つ
解説
ア 誤り。
「心裡留保」の問題である。
心裡留保は原則として有効だが、相手方がその意思表示が真意でないことを「知り」、又は「知ることができた」場合は無効になる。
本文は「知らないことにつき過失があっても有効」としているが、過失があれば「知ることができた」に当たりうるため誤り。
イ 誤り。
「通謀虚偽表示」の問題である。
通謀虚偽表示は無効だが、善意の第三者には無効を対抗できない。
この第三者保護は「善意」で足り、「無過失」までは要求されない。
本文は「善意でも過失があれば無効を対抗できる」としているので誤り。
ウ 誤り。
「錯誤」の問題である。
重要な錯誤があるときの効果は「無効」ではなく「取消し」である。
また、錯誤取消しは、善意でかつ過失がない第三者には対抗できない。
本文は「無効」としているので誤り。
エ 正しい。
「詐欺」の問題である。
詐欺による意思表示は取り消すことができる。
ただし、詐欺につき善意でかつ過失がない取消し前の第三者には、その取消しを対抗できない。
本文は正しい。
結論として、誤りは「ア」「イ」「ウ」の三つなので、正しい選択肢は「3」である。