問題文
委任契約・準委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.売主が、売買契約の付随義務として、買主に対して、マンション専有部分内の防火戸の操作方法につき説明義務を負う場合、業務において密接な関係にある売主から委託を受け、売主と一体となって当該マンションの販売に関する一切の事務を行っていた宅地建物取引業者も、買主に対して、防火戸の操作方法について説明する信義則上の義務を負うことがある。
2.受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。
3.委任契約で本人が死亡しても代理権が消滅しない旨を合意して代理人に代理権を与えた場合、本人が死亡しても代理権は消滅しない。
4.委任は、当事者の一方が仕事を完成することを相手方に約し、相手方がその仕事の結果に対しその報酬を支払うことを約さなければ、その効力を生じない。
解説
1 正しい。
売主が買主に対して説明義務を負う場合、売主と密接な関係にあり、売主と一体となって販売に関する一切の事務を行っていた宅地建物取引業者も、売主と同様に説明を行う信義則上の義務を負うことがある。判例でも、売主の100%出資子会社である宅建業者に売主と同様の説明義務を認めている。
2 正しい。
受任者は原則として自ら委任事務を処理すべきであり、復受任者を選任できるのは、①委任者の許諾を得たとき、または②やむを得ない事情があるときに限られる。
3 正しい。
委任契約は原則として委任者の死亡で終了するが、この規定は任意規定と解されている。そのため、本人が死亡しても代理権が消滅しない特約は有効であり、本肢のような合意があれば、本人死亡後も代理権は消滅しない。
4 誤り。
これは請負の説明である。委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる契約である。委任は「仕事の完成」が目的ではなく、「事務処理の遂行」が目的である。したがって誤っているのは④である。