問題文
個人であるAが、①賃貸人Bと賃借人Cとの間の期間を2年とする居住用甲建物の賃貸借契約に基づくCの一切の債務の連帯保証契約をBと締結した場合、②売主Dと買主Eとの間の居住用乙建物の売買契約に基づく代金支払債務の保証契約をDと締結した場合、に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.①の連帯保証契約は書面によってしなければ無効であるのに対し、②の保証契約は書面によらず、口頭で契約を締結しても有効である。
2.①のBがAに対して連帯保証債務の履行を請求してきた場合には、AはまずCに請求するように主張できるのに対し、②のDがAに対して保証債務の履行を請求してきた場合には、AはまずEに請求するように主張することはできない。
3.①の連帯保証契約は保証の限度額である極度額を定めなければ無効であるのに対し、②の保証契約は極度額を定める必要はない。
4.①も②もAが主たる債務者C及びEの委託を受けて保証した場合において、Aが債権者B及びDに対して主たる債務の履行状況に関する情報を提供するよう請求したときは、①のBは、これらの情報を、遅滞なく、Aに提供しなければならないのに対し、②のDは、守秘義務を理由にこれらの情報の提供を拒否することができる。
解説
この問題は、「①が根保証か」「②が根保証か」を分けて考えると一瞬で解ける。
1 誤り。
保証契約は、書面又は電磁的記録によってしなければ効力を生じない。
①が書面必要なのは正しいが、②も同じく書面又は電磁的記録が必要なので、口頭で有効とする部分が誤り。
2 誤り。
①は「連帯保証」なので、保証人Aには「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」がない。
したがって、「まずCに請求せよ」と主張できない。
②は通常の保証であり、原則として保証人Aは「まずEに請求せよ」と主張できる。
本文はこれを逆に書いているので誤り。
3 正しい。
①は賃貸借に基づくCの一切の債務を対象としており、将来発生する家賃や損害金なども含むため「根保証」に当たる。
しかも保証人Aは個人であるから、「個人根保証」として極度額の定めが必要になる。
極度額の定めがない個人根保証は無効である。
②は売買代金という「特定の債務」の保証であり、根保証ではないので極度額は不要である。
よって正しい。
4 誤り。
委託を受けた保証人は、債権者に対して主たる債務の履行状況に関する情報提供を請求できる。
債権者は必要な情報を提供すべきであり、「守秘義務」を理由に一律に拒否することはできない。
本文は②だけ拒否できるとしているので誤り。