問題文
AがBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で期間を50年とする賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.本件契約に、当初の10年間は地代を減額しない旨の特約を定めた場合、その期間内は、BはAに対して地代の減額請求をすることはできない。
2.本件契約が甲土地上で専ら賃貸アパート事業用の建物を所有する目的である場合、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を定めるためには、公正証書で合意しなければならない。
3.本件契約に建物買取請求権を排除する旨の特約が定められていない場合、本件契約が終了したときは、その終了事由のいかんにかかわらず、BはAに対してBが甲土地上に所有している建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
4.本件契約がBの居住のための建物を所有する目的であり契約の更新がない旨を定めていない契約であって、期間満了する場合において甲土地上に建物があり、Bが契約の更新を請求したとしても、Aが遅滞なく異議を述べ、その異議に更新を拒絶する正当な事由があると認められる場合は、本件契約は更新されない。
解説
1 誤り。
借地契約では、地代を減額しない旨の特約は無効である。
したがって、そのような特約があっても、地代が近隣の相場と比べて不相当になったときは、借主は地代の減額請求をすることができる。
2 誤り。
賃貸アパートは人が居住する建物なので、事業用定期借地権等は使えない。
この場合に考えるのは一般定期借地権や建物譲渡特約付借地権であり、公正証書が絶対必要というわけではない。 現行法でも、事業用定期借地権等は専ら事業の用に供する建物が対象である。
3 誤り。
建物買取請求権は、借地権の存続期間が満了し、かつ契約の更新がないときに問題となる。
したがって、債務不履行解除や合意解除など、終了事由を問わず常に請求できるわけではない。
4 正しい。
本件は契約の更新がない旨を定めていないので普通借地権である。
普通借地権では、存続期間満了時に借地上に建物があり、借主が更新請求をしたときは、貸主が遅滞なく異議を述べない限り更新されるが、遅滞なく異議を述べ、その異議に更新拒絶の正当事由があると認められる場合には更新されない。